こんにちわ、まさやんです。
人を動かす三原則、
その三、人の立場に身を置く、の
続きです。
それでは、どうぞ。
”自動車王ヘンリー・フォードが
人間関係の機微にふれた至言を吐いている。
「成功に秘訣というものがあるとすれば、
それは、他人の立場を理解し、
自分の立場と同時に、
他人の立場からも
物事を見ることの出来る
能力である。」
バーバラ・アンダーソン夫人は、
ニューヨークのある銀行に勤めていたが、
息子の健康のために
アリゾナ州のフィーニクス市へ移りたいと考え、
つぎのような手紙をフィーニクス市にある
十二の銀行あてに送った。
「拝啓
銀行員としての私の十年の経験は、
目ざましい発展を続けておられる貴行の
ご関心を誘うものと信じ、この手紙を
差し上げるしだいでございます。
私は、現在、ニューヨークの
バンカーズ・トラスト・カンパニーの
支店長をつとめております。
今日まで、当社における銀行業務につき
各種分野の経験を積み、預金、信用貸付、
ローン、経営管理など、あらゆる面に
通暁するに至りました。
五月にはフィーニクス市に
引っ越す予定でございますが、
その節には、ぜひとも貴行のご発展に
微力をつくしたい所存でございます。
つきましては、4月3日からの週に
御地を訪ねることにいたしておりますので、
貴行の目的に照らして、
いかなる寄与をなしうるか、
直接お話できる機会を
いただければまことに幸いに存じます。
敬具」
このアンダーソン夫人の手紙に対する反応は?
十二の銀行のうち十一行が面接を求め、
彼女はそのなかから一行を選んだのである。
そうなった理由、それは、
彼女が自分の希望を述べたのではなく、
自分が相手の銀行で
どんな役に立つか、
つまり、焦点を自分ではなく
相手側に合わせたからである。
実例をもうひとつあげよう。
シェル石油のセールスマン、
ロードアイランドのマイク・ホィッデンが
紹介してくれた話である。
彼は担当地域で
ナンバー・ワンの実績をあげる
目標を立てていた。
ところが、あるガソリンスタンドの
営業成績が上がらず、
そのために彼のセールスも
伸び悩んでいた。
そのスタンドは年を取った男が
経営しているが、
やる気がまるでない。
ろくに掃除もせず、
ガソリンの売れ行きは
落ちる一方だった。
マイクが口を酸っぱくして
もっときれいにするようにすすめても
全く取り合わない。
思い余ったマイクは、
この経営者を連れ出して
一緒に新しいシェルのスタンドを
見学に出かけた。
新しいスタンドを見た経営者は
たいそう感心したようすだったが、
マイクがしばらくたって訪ねてみると
スタンドは見ちがえるほどきれいになっていて、
売り上げも大きく伸びていた。
おかげで、マイクは担当地域で
実績ナンバー・ワンになることができた。
あれほど説教をしたり議論した効果は
皆無だったのに、
最新式のスタンドを見学させただけで、
強い欲求を起こさせ、
その結果、両者共に
利益を得ることが出来たのである。
大学でむずかしいラテン語や
微積分をやった人たちでも、
自分自身の心の働きについては、
まるで知らないことが多い。
ダッチマンという電話技師で、
同じくわたしの講習会に参加した父親だが
彼もまた三つになる娘が
朝食を食べないので弱っていた。
おどしても、すかしても、まったく効き目がない。
そこで、いったいどうすれば娘が朝ごはんを
食べたくなるか考えた。
この子は、
母親の真似をするのが好きだった。
母親の真似をすると、
大人になったような気がするのである。
そこで、ある朝、この子に
朝ごはんのしたくをさせてみた。
彼女が料理のまねをしている最中に、
適当なころを見はからって、
父親が台所を覗き込むと、
彼女はうれしそうに叫んだ。
「パパ。見てちょうだい。
わたし、今朝ごはんを作っているの!」
その朝、彼女は二皿もオートミールを
平らげてしまった。
朝食というものに興味を持ったからである。
彼女の自尊心が満たされたのだ。
朝食を作ることによって、
自己主張の方法を発見したのである。
「自己主張は人間の重要な
欲求の一つである。」
これは、ウイリアム・ウインターの言葉であるが、
我々は、この心理を、仕事に応用することが
出来るはずだ。
何かすばらしいアイデアが浮かんだ場合、
そのアイディアが浮かんだ場合、
そのアイディアを相手に
思いつかせるように仕向け、
それを自由に料理させてみてはどうか。
相手はそれを自分のものと思い込み、
二皿分も平らげるだろう。
「まず、相手の心の中に
強い欲求をおこさせること。
これをやれる人は、
万人の支持を得ることに成功し、
やれない人は、
ひとりの支持を得ることにも
失敗する。」
人を動かす原則 第三
強い欲求を起こさせる。”
以上です。
引用先:
著書名「人を動かす」
著者:デール・カーネギー、
翻訳:山口 博
出版元:創元社
PART1 人を動かす三原則
人の立場に身を置く
より一部抜粋
どこかで聞いた話だけど、
中途採用で入社した社員に、
笑顔でさりげなく、こう質問する。
「君はこの部署でどのような存在になりたいのかね?」
するとその社員は、
「はい、私はコレコレ、しかじか、・・・・、という形で
この部署に貢献したいと考えてます。」
と答えると、上司はニッコリ笑って
何も言わずに自分の席に戻る。
社員は自分の言葉に
一貫性の原則が自然に働き
そのように動くようになる・・・。
これって強制的に強い欲求をおこさせた、
とも言えるのかなあ・・。
おつきあいありがとうございました。
また次回。
次回はテレビゲームの話でも・・。