ビジネスマンの父より息子への30通の手紙。「誠実さの代価」前編。

こんにちわ、まさやんです。

 

本来は趣味やら何やらの
ブログを書くつもりでしたが・・、

「ビジネスマンの父より息子への
30通の手紙」を読んでいると

心にじ~んとくるわけで・・。

また皆さんに紹介したくなりました。

今回は「誠実の代価」についてです。

 

 

それでは、どうぞ。

 


 

息子はこの6ヶ月間、
ある重要な契約を担当している。

会社の力量を裏付けるために、
息子は会社の内情を将来の顧客と
目される相手に漏らさなければならなかった。

それは契約を
最終的にまとめる段階で、

契約を結ぶという暗黙の了解を
明らかに得てからのことである。

ところが契約は実現せず、
息子は相手の商業道徳の欠如に
腹を立てている。

息子から見ると、
相手が契約のための話し合いや、

交渉のなかで述べたことの多くは偽りで、
故意に誤解を招かせるものであった。

 

 

 

RGMの契約を逸したという君の報告を聞いて
残念に思っている。

君がこの契約にどれほど期待をかけ、
無事に締結にまで漕ぎつけようと、

どれほど努力をしたか、
私は知っている。

 

みじめな結果に終わったいま、
君は不幸にも、たぶん正当な理由で、
相手を恨んでいる。

しかし、君はそれで力を落としたり、
他の契約をいつもの楽天主義と熱意で
追いかける気をなくしたりしてはいけない。

 

もう二,三年この世界で経験を積めば、
君は全幅の信頼をおける人がごくわずかしか
いないことを知るだろう。

したがって、
賢い人は多少武装してかかる。

 

他人を信用しなければならない場合には、
多少の知識、いわゆる安全装置が必要である。

この安全装置は
いろいろな形をとることができる。

 

まず知らない人については、
その背景を探るべきだろう。

人はたいてい習慣的な行動をとるので、
ゲームのルールを守らない人なら、

きっとこれまでにも何度か、人を騙したり、
人の感情を害したりしているだろう。

 

感情を害された人の心のどこかに
かすかな復讐心が潜んでいるだけでも、
この種の情報は記憶に残るものである。

 

商談を進めようと思う相手については、
多少時間を投入しても、よく調査をするといい。

第二に、君は常にサービスを個人的なレベルで
売り込むことに努力すべきだろう。

 

顧客に関する限り、
会社は影の薄い存在である。

人は会社を相手に
商談するわけではない。

君と個人的に
取引をしているのである。

 

君が常にそういう態度を示せば、
顧客は会社ではなく、

君を信頼して、
契約が無事履行されたことを
確信するだろう。

 

もちろん、
君の優秀な部下や最高の設備、

それに経営方法に
相手の注意をひくことも悪くはない。

 

第三に、君は人生のこの段階では、
全ての試みを経験とみなすべきだろう。

君はこの契約を逸した埋め合わせを
40年かかってすればいい!

その背後の出来事を
覚めた眼で調べてみれば、

一つや二つ
(おそらくもっとたくさん)、

君がもう一度同じ状況に出会うことがあれば、
違った取り組み方をすることがあるだろう。

賢い人は、
勝利よりも敗北から多くの教訓を得る。

 


以上です。

この場合、

相手側は最初から、
情報を得るためだけに近づいたのでしょうか。

まあ、相手側の本意は分かりませんが、
契約を結ぶ場合などには、

相手側の入念な調査が必要ですね。

 

それでは次回。

 

 

引用先

著書名:ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
著者:キングスレイ・ウォード
訳:城山 三郎
出版元:新潮文庫

より一部抜粋