ビジネスマンの父より息子への30通の手紙。「成功について」前編。

こんにちわ、まさやんです。

 

今回は「成功について」です。

成功の定義はおのおのが
それぞれお持ちになっていることでしょう。

何を持って成功なのか・・。
何が出来たら成功なのか・・。

 

 

 

それでは、どうぞ。

 


 

息子から見ると、父親は人生の大変な成功者で、
その足跡をたどることはとうてい無理である。

息子の目に映る父親は、非常に頭が切れ、
自信に満ちている。

そんな真似はできっこない。

そんな大役を引き継ぐことは出来ない。
ともかくそんな気がする。

 

 

 

最近私はある教師が
成功した父親の息子にありがちな

試練と落とし穴について
解説するのを聞いた。

彼は成功者の後を追って
成長する苦しみを語った。

それは若者にとって
最も困難な適応の一つであるという。

 

若者は父親と同じように立派になれるとは
決して思わないからである。

試みようとさえしない若者が多いらしい。

 

せっかくの才能を伸ばそうともしないで
諦めてしまう。

悲しい話である。

 

私はふと、

君にもそんな気持ちが
あるかもしれないと思った。

人生にしり込みする口実として、
君がそのような理念にとらわれることのないよう、

念のためにこれまでに私が経験したことを
二、三話しておきたい。

 

高校での私の成績は1年生で六十点、
二年生で六十五点、三年生で七十五点だった。

それから大学に進んだが、
君も知っての通り、頭が良かったからではない。

地方からの進学希望者を優先する
特別の制度があったからである。

 

大学の最初の2年間の教養課程は、
ずいぶん勉強したのに、
あまりぱっとしない成績で修了した。

たしかに頑張ったのだが、
何を学んでも私はのみこみが
遅かったからである。

それから私は
最初の公認会計士試験に失敗した。

 

信じられなかった!
私はぺしゃんこだった。

六年間も大学で学んだことが
全部無駄になったのだ!

お終いだった!

 

翌年再試験を受けることを
許されたときには、

ほっとして、

大きな吐息をついたことは
言うまでもない。

 

私は1回目に失敗した理由を知ると、
同じことを繰り返すまいと決心した。

繰り返しはしなかった。
難しい謎が分かったというのではない。

努力が足りなかっただけである。

それ以来、私は努力を続けている。

 

仕事や勉強の習慣は
なかなかつきにくい。

学びたいという
自然の欲求が必要である。

しかし何よりも、
勤勉さが必要である。

これらの好ましい、
生産的な態度を身につけることは、

90パーセントの人間にとって
容易なはずだが、

実際に身に付ける人は
少ない。

 

もし君が、

私のしたことは全て成功したと
思っているとしたら、

君は私の人生の大半について、
詳しいことを知らない。

成功している人は終始、
勝利への一本道を歩いているように見える。

 

その道を歩き続けるために、
敗北のたびに必要とされる粘り強さは
傍目には見えない。

打ち負かされ、失敗し、落胆し、
そして欲求不満に悩まされないで、

相つぐ成功を収めた人を
私は知らない。

 

このような苦しい時期を
乗り越えられるかどうかが、
勝者と敗者を分ける。

負けを恐れる余り、
競争に参加しようとさえしない
人たちのことを、

私は幾度話したことだろう。

 


以上です。

 

人々は成功者の昔の苦難などより、
華々しい現在を見がちですよね。

 

それでは、また次回。

 

 

 

引用先

著書名:ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
著者:キングスレイ・ウォード
訳:城山 三郎
出版元:新潮文庫

より一部抜粋