これで最後になります。
書籍を紹介した理由は
彼の人柄に惹かれた部分も
あるかもしれません・・。
皆さんにジョンを
紹介出来て良かったと
思っています。
それでは最終回です。
どうぞ!
質問:あなたは、未来のことを話すことで
人の人生に影響を与えてしまうのを
「道徳的に誤り」だと考えているようですが、
あなたが話さないことで人々が
死ぬかもしれないのですよ。
私は心苦しさを感じないなどと
いったでしょうか?
私は故意に介入しないと
言ったまでです。
またここで、
歴史を例に借りたいと思います。
1941年に真珠湾が攻撃される前、
アメリカ兵の少数のグループが、
レーダーと呼ばれる新しいテクノロジー
の実験をしていました。
日本軍の戦闘機が
島に近づいてきたとき、
実は、彼らは
この奇襲攻撃を阻止できる
ギリギリのところで気づいていたのです。
しかし、残念ながら兵士たちは
その機器に慣れておらず、
機器の誤作動だと
判断してしまいました。
ご存じの通り、
日本軍の、この冷酷非道な
奇襲攻撃により、
アメリカの人々は
第二次世界大戦に
駆り立てられていったのです。
もちろん、
私はタイムトラベラーですので、
レーダーの操作係のいるところまで行き、
その機器は正常に機能している、
早く知らせるべきだと、
と指摘してやることは簡単です。
兵士たちが
私の言うことを信じたとしても、
私のたった一つの行動が、
アメリカ軍が日本軍の戦闘機を迎え撃ち、
戦艦への攻撃を阻止する
というところまでいくかどうかは
分かりません。
しかし、結果として、
アメリカの国民は怒りは覚えたとしても、
日本軍を脅威とみなすこともなく、
戦争への突入はなかったでしょう。
そうしたら、原爆もヒトラーに先を越され、
ロンドンに2発ばかり落されてから
慌てて着手ということに
なったかもしれません。
私は、何百万人もの
ロンドンの人々の命と引き換えに、
真珠湾にいた
戦艦アリゾナの乗組員2千人の命を
救う事もできるわけです。
でも一人の人生が
他の人にどのように影響するか
分かりません。
とはいえ、もし自分が、
頭上の日本軍機によって
今にも撃たれそうな兵士の
隣に立っていたら
安全な方へ
突き飛ばしてやると思います。
これはちょっとした
矛盾だと分かっています。
それでも、
目の前で人が死んでいくことは
うんざりです。
もし、このツケが回ってくるなら、
それは仕方ないことだと思っています。
質問:最も信用できないのは
どんな人間ですか?
世界が変わることで失うものを、
最も多く持っている人間です。
「富める者が神の国に入るより、
ラクダが針の穴を通る方が優しい」
と言いますから。
2001年2月22日
各質問に返答するジョン
質問は省略
全ての質問に答えようと思います。
質問には順番に
コメントしていくつもりです。
質問の前にはすべて
質問者の名前を書くようにしているので、
私が何か見落としている内容があれば、
もう一度書き込んでください。
昨晩私が見たものについて、
皆さんの意見を聞かせてください。
同じ携帯電話を宣伝する、
2種類のテレビコマーシャルです。
1つ目はすぐに意味が分からず、
2つ目はすぐに分かりました。
1つ目のコマーシャルでは、
防寒服を着た男性が
吹雪の中に立っています。
彼は携帯電話で
家族に別れを告げていて、
吹雪の中で
命を落とすのかと思わせます。
2つ目では、防寒服を着た
別の男性が携帯電話で喋っています。
若い女性からロマンティックな
夜のお誘いを受けたようです。
彼は驚きながらも喜んで、
携帯電話を切って
その場から立ち去ります。
ところが、
次の場面では、
彼は応急処置を行っていた
意識不明の人を
置き去りにしたことが
明らかになるのです。
これらのコマーシャルについて
どう思いますか?
質問:面白いのは、
ここで聞かれている質問の種類と、
何の理由もなくあなたに向けられている
あからさまな敵意です。
はい、
私もそれは面白いと思っています。
時々、皆は本当は何に対して
腹を立てているのだろうと
考えることがあります。
きっと人間の苛立ちというのは
メッセージを発する者に対して
向けられることが多いのでしょう。
でも、それも
また歴史を作る要素の一つなのです。
質問:いつになったら
ドラッグで逮捕されることが
なくなりますか?
911に通報しても、
警察が来てくれなくなった頃ですね。
質問:一つだけ、簡単な質問です。
コンピューターの前に座っているかわりに、
政府に出頭したらどうですか?
今月号の「ポピュラーメカニズム」誌の
表紙を見てください。
これこそ、戦後2036年まで残る、
あなたたちの時代からの負の遺産です。
表紙の片側では、
いかに政府が国民をスパイしているかが
大々的に取り上げられ、
もう片側には(同じぐらい力を込めて)、
浴槽の取り付け方法が載っています。
タイムトラベラーが自分のことを
明らかにしないのは、
あなたたちの社会が
あまりにも恐ろしいからです。
私たちは、
コンクリ-トの部屋に閉じ込められ、
ひっきりなしに自白剤を打たれ、
白衣の男たちにマシンを
付きまわされるなんてことに
なりたくないのです。
質問:以下の図が
「X線放射領域」を
簡単に説明しています。
X線が集められ、方向づけされて
放出される仕組みが詳細に
説明されています。
これは武器システムとしても
応用できるのではないですか。
私にはタイムマシンに見えるものが、
あなたには武器にしか見えない
というのは面白いですね。
おそらく、それが「時代」の
表われでしょう。
しかしながら、それはなかなか
面白い点をついています。
もし、あなたがタイムマシンを
持っていると中国やロシアがわかったら、
彼らはどんな行動に出ると思いますか?
もう一度繰り返しますが、
本当に私に、タイムトラベラーだと
証明してもらいたいのですが、
おそらく、いくら全てを
あなたに見せようと思っていたとしても
その証拠がさらに、
タイムトラベラーを
「邪悪」な存在に
してしまうのではないですか?
2001年3月24日
ジョンの書き込み
私はまもなくこの世界線を去ります。
これが私の最後の
書き込みになるでしょう。
いつ私が去るのかを知っている人は
ほんの一握りですが、
私が行ってしまった後、
彼らがちゃんとあなたたちに
そのことを教えてくれるでしょう。
ここ数日の議論は
なかなか面白かったですね。
「もしタイムトラベルが本当だとしたら、
タイムトラベラーはいったいどこにいるのか?」
という問題への答えが、
ここに端的に表れていると思います。
以前私は、
あなたたちのことがとても怖いし、
他のタイムトラベラーたちも
同じように感じているだろう、
と素直に言いましたが、
今ここで2つの例を挙げて、
もっと詳しく説明したいと思います。
少し前に、私は道路を走行中、
両親と体験した話を書きました。
時折、車のトラブルで
明らかに困り果てた人に
出くわすことがあります。
私は多くの人が止まって
助けてやりもせず、
そのまま通り過ぎてしまうことに
驚きました。
彼らの言い分はこうです。
「危ないから。」
人を助けたりしたら
こっちが危ないし、
これだけ進んでいる時代、
誰だって携帯ぐらい持っているはずだ。
仮に持ってなかったとしても、
ガソリンスタンドに歩いていけば
済むことじゃないか。
ガス欠になるとどうなるか
よい教訓になるだろう。
まあ、こういったところです。
ホームレスの窮状もいい例です。
通りで彼らに出くわすと、
人はわざわざ避けて
別の道を選びます。
この2つの例が、
なぜタイムトラベラーが自分のことを
明らかにしないかを如実に表しています。
人を助けようと自分自身を
大変な危険にさらしたところで、
何の意味もないのです。
私たちは、「正確な」世界線間を
移動することは不可能だという
時間の特性を知っています。
それゆえ、私たちにしかわからないことは、
何もせずじっと見たままにしているのです。
世界線や結果、
出来事は無限なものですから
私たちはもっとやるべきことがあります。
故郷に帰る途中で、
「新たな」1998年の世界線に寄った時、
またこのようなことを再び初め、
同じ人たちと同じ会話をすることも
簡単にできます。
しかし、私は、あなたたちが
特に気にもかけなければ、
私を信用しないのも分かっています。
このことはこの世界線で
体験済みです。
それにガソリンスタンドまで歩くのは
あなたたちにとって
よいことだという気がするのです。
質問:向こうの時代の人々の大半は
死んでしまうんですか?
特に現在健康上の問題を
抱えている人たちでしょうか。
はい、人は絶えず死んでいます。
その多くはクロイツフェルト・ヤコブ病に
よるものです。
約6か月前の
初めの方の書き込みでも
いいましたが
この病気がいかに甚大な被害を
もたらすものか
ぜひ訴えておきたいと思います。
2人の患者が、外科手術の器具で
クロイツフェルト・ヤコブ病にかかり、
コロラド州で死亡が確認されます。
私は一切ファーストフードを
食べたことがありません。
食材の出所や、
輸送、処理方法を考えると
あまりに恐ろしいからです。
私は人々に狂牛病について
訴えようとしていました。
どうやらヨーロッパでは
「理解」されてきているようです。
死んだ仲間の体の一部を食べたり、
使ったりしないようにしてください。
「狂牛病」の問題は
まだここで始まっていないのです。
質問:タイムトラベルは
未来の宇宙探査に
どんな影響を及ぼしますか?
月に「旅行」するのに重力歪曲装置
を使うかどうかをめぐって
大きな論争になっています。
実験では緻密な計算の元、
VGL(可変重力ロック)システムを
用いて、
違う世界線上の月までの
理論上のコースを正確に
割り出す必要があります。
そこで問題となるのは、
もし、実験が成功したところで
自分の世界線の人間とは
誰とも交信できないという点です。
つまり実験することは可能ですが、
たどり着いた先の世界線の人間しか
その結果を活用できないというわけです。
質問:あなたは、まだ出発の様子を
インターネットで放送しようとしていますか?
父が出発の様子をビデオに
撮ってくれることになっています。
一番の気がかりは、
私の家族の安全です。
それに、いくぶん人目のある場所で
出発することになると思いますが、
余り余計な注目は
浴びたくないのです。
質問:2Gの加速下では、
シボレーのピックアップトラック程度
のスピードしか出ないのではないですか?
これを読んでガッカリしました。
あなたたちだって、アインシュタインの
エレベーターの思考実験が、
加速によって生じる
重力と同等の効果を持つのではないか、
という思いつきから行われたことくらい
知っているでしょう。
私は、加速が装置の動き具合に
関係しているなどと言った覚えはありません。
質問:あなたと敵対関係にある誰かが、
タイムマシンに核爆弾を仕掛けて、
あなたの未来に送り返そうとしていたら、
どうします?
装置が兵器として
言及されるのはこれで2度目です。
この世界線の人たちは、
私を恐れる必要など何もないのに、
マシンで何をしようというんです?
あなたたちの考えでは、
特異点を形成することのできる
もっとも小さな質量とは
一体何ですか?
ホーキングでさえ、原始の特異点は
ビッグバンで生まれたとしています。
そのころ、特異点を作る
最適な惑星(半惑星)が
あったんですか?
書き込みから人のプロフィールまで
断定してしまえるあなたたちにしては、
文字通りの発言を
こうも取り違えるとは不思議ですね。
残念ながら、どうやら、
この議論にけりをつけるところまで
来てしまったようです。
みなさんがつけてくれた
「ブーマー」というあだ名は悪くないですよ。
わりと気にいってます。
ありがとう。
最後の質問
もし、現実が無限にあるなら、
それ以外の現実はないという状況を
引き起こす現実が必然的に生じます。
その通り!
素晴らしい洞察です。
これについてもっと議論出来たら
楽しかったでしょうね。
それから(※訳注:ジョンに協力的な
フォーラムのメンバーに向けて)メールの
事では手伝ってくれてありがとう。
そして、知的で洞察力にあふれた
質問を寄せてくれた皆さんに
お礼を言います。
私はここで非常に多くの事を
学ぶことが出来ました。
私には秘めた計画などありませんが、
あなたたちの世界線には
大変注目していました。
あなたたちと交流するのは、
主要任務ではありませんでしたが、
全てのタイムトラベラーに課せられた
服務規定に基づく、
第二の任務ではありました。
その付随的な目的とは、
私たちがまず到着したときに、
観察可能な一連の変化に基づいて、
その世界線について
できるだけ多くの情報を集める事です。
あなたたちの世界線は
これらの条件に合っていたのです。
私が驚いているのは、
なぜ2000年問題が
自分たちには全く起きなかったのか、
ここの誰も不思議に思っていない
ということです。
最後に・・・・・・
車が路肩でエンコしてしまったときには、
ガソリン容器を自分で運んでくださいね。
さようなら
ジョン・タイター
■ジョンが1998年にやって来た時に
撮った写真。重力歪曲装置が
蓋を開いた状態で後部座席に
置かれている↓
未来人ジョンタイターの大予言は
これで全て終了です。
ここで紹介していない
ジョンとの質疑応答は
まだたくさんあります。
書籍を購入され
確認して下さいね。
それでは失礼します。
著書名:「MAXムック
未来人ジョンタイターの大予言」
発行人:大山日出夫
編集人:鎌田潤哉
発行所:株式会社マックス
企画・編集・執筆/高橋駿輔
執筆/総合情報サイト ALL about
世界情勢・ワールドニュースガイド 鳥羽賢