More with Less 働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法 第3回 -全4回

 

心理的安全性は皆無、
アジェンダ(議題・目的)もまた皆無、

決まった日の
決まった時間に呼ばれ

ダラダラと現状を述べるだけ・・。

そんなトホホな会議なんて
誰が参加したいのでしょうか。


参加者の心の内は
(自分の仕事に一刻も早く
戻りたいだけどなあ・・)
と思いますが(笑)。

 

そんな会議をズバリ斬ります!
それではどうぞ!

 


 

「決めない会議」のために
年に70時間奪われている

 

 

■「時間を奪う会議」は、なぜ生まれるのか?

 

弊社で29社16万人の
「働き方の改善」を支援している中で、

どのようなことに
時間が費やされているかも
調査しています。

調べた結果、
43%が社内会議に費やされていることが
分かったのは先述の通りです。

 

しかも、ビジネスパーソン7500名を
対象にしたアンケートでは、

なんと87%が
「社内会議を改善すべき」
と会議の効率・効果ともに

思わしくないという
答えだったのです。

 

時間通りに終わらない、
アクションが決まらない、
部長の独演会が止まらない、

といった意見が
多数集まりました。

 

そこで、多くの時間を奪う
「ムダな社内会議」を改善すべく、

クライアント企業11社の社内会議を
総計8000時間以上かけて録画し、
分析しました。

また、会議終了後にアンケートをとって、
うまくいった会議だったかどうかを
評価してもらいました。

すると、会議が上手くいかない原因も
明らかになっていったのです。

 

 

■会議の目的は3種類

 

まず、会議には
3種類しかありません。

「情報共有」か
「意思決定」、
そして「アイデア出し」です。

 

3種類の会議のうち
もっとも評価が低く、

効果が出ていなかったのは
「情報共有」の会議です。

驚くべきことに、
「情報共有」の会議で約30%で
アジェンダ(議題・目的)が
設定されておらず、

全員がイスに座ってから
「議題のある人?」と
聞いている始末です。

 

目的が決まっていなければ、
もちろんアウトプットは出ません。

とくに「定例会議」がこの傾向にあり、
メンバー同志で集まることが
目的になってました。

 

確かに、チームで共通の目標を
達成すべく士気を高めるうえでも、

メンバーで集まって
議論することも必要です。

しかし、こういった単に情報を
共有するだけの会議を
毎週開催する必要はありません。

組織として実行するための意思決定、
課題解決のアイデア出しに
注力する会議なら意味があるでしょう。

しかし、情報共有のためなら、
対面の会議はなるべくダイエットすべきです。

 

 

■経営会議は、改善の大本命

 

調査結果から、
社員1000名以上の企業では、

1時間の経営会議をするのに、
現場の社員たちは

平均73時間かけて準備し、
その65%は資料の作成に
費やされていました。

 

本来、経営幹部が集まる会議では、
意思決定者が一堂に会している訳ですから
会社の重要事項をこそ決めていくべきです。

しかしながら、現状では、
10分刻みにアジェンダがセットされて、

各部門の代表が情報を共有して終わり、
というパターンが圧倒的に多かったのです。

 

さらに、
「頑張ってたくさん資料を作れば
評価されるのではないか」という
妄想を持つ社員がいると、

経営会議での資料の枚数は
増えていきます。

 

追加調査をしたところ、
作成された資料の40%は経営会議で
使われませんでした。

ページをめくられることすらない資料も
20%以上あり、
作成時間はムダだったのです。

 

こういった経営会議の問題を
根本的に解決するには、
まず「決める会議」に
変えることです。

 

そもそも経営会議の
アジェンダの多くが
「情報共有」になっており、
コストパフォーマンスが低いのです。

共有された情報に対して、
評論家のように意見を言っても
前には進みません。

また、批判するときは
対案がないと、

ただの愚痴で終わりますので、
建設的な会議になりえません。

 

経営会議には、
各部門の意思決定者が
出ている訳ですから、

現場では調整できなかった
組織をまたぐ決め事や、

会社の戦略に係る意思決定を
ズバズバとスピード感をもって
決めていかないと
社会や市場の変化に乗り遅れます。

評価軸を決めて
「GO」か「NO GO」かを
しっかり決めることが求められます。

 

また、
経営会議の資料のフォーマットは統一し、
作成のルールを決めましょう。

例えば、「各アジェンダはA3用紙1枚で
フォントサイズは18ポイント以上とする」
というルールにすれば、

役員も作成者も
負荷が減ります。

重要な部分が一目瞭然で、
付託して資料を作成する
時間が減ります。

 

「情報共有の会議」を減らし、
「決める会議」に決める

 


 

今回は以上となります。

 

次回は
「成功は、失敗の先にある」
です。

失敗は成功の元なら
よく聞きますが・・・、はて?

お楽しみに!

 

 

著書名:「More with Less 
働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法」

著者名:越川 慎司
(クロスリバー代表取締役)

出版先:日本実業出版社