More with Less 働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法 第1回 -全4回

週休3日を実現した
会社の代表が
この本を執筆しています。

仕事内容の無駄を
徹底的に削ぎ落し

やるべきことだけに
集中した結果、

週休3日が
実現したそうです。

私としては
1分たりとも会社にいたくない
気持ちが強いので

週休3日はうらやましいですね。

さてどんな方法で
確立したのやら。

それではどうぞ・・。

 


 

605社・16万人のデータからわかった
「新しい働き方」

 

■「大きな成果を残している
社員と組織」に共通する2つのこと

 

弊社が支援している
「働き方の改善」では、

アンケートと調査によって
企業診断もしています。

 

「社員の本音を聞き出し、
変化に対応する機運が高まっているか」、

そして
「改善に対して何が障壁であるのか」
「経営陣に改善する覚悟上がるかどうか」
などを明らかにするためです。

 

またITツールを使い、
「社員がどのような作業に
時間を費やしているか」
を確認し、

追加調査によって
その作業内容の詳細や、

各作業が成果につながっていたか
どうかを掘り下げて調べてもらいます。

 

14業種605社で、
従業員数5名から
8万人の企業まで、

企業規模等による
変動要素はあるものの、

実証実験によって
仮説の検証を積み重ねたことで、

一定の共通パターンが
分かりました。

 

16万人の調査を通じて、
「大きな成果を残している社員と組織の
思考や行動にある共通項目」
が見出せたのです。

 

とりわけ
「働く時間を短くして、
成果を出し続ける事」
に成功している企業は、

どういった取り組みを
しているのでしょうか。

その特徴は、
次の2つです。

 

1つ目は
「明確なゴールが定義されていること」

 

つまり
「何をもって成功とするのか」が
決まっているのです。

正しい目標が設定されており、
それを意識して行動すると
その目標に近づいていきます。

 

実際に、
私の講演を受講した
約1200社に対して
アンケートを行い、

「働き方の改善に成功している」と
答えたのは、たったの12%でした。

この12%の企業は、
明確で定量的かつ測定可能な目標を
設定しているのです。

この成功の定義が
明確であれば、

目的と手段を
履き違えにくくなります。

 

そして、
その目標を達成することの意義を、
経営陣と現場が腹落ちしています。

その目標を達成するために、
会社全体でさまざまな行動を通して、

より少ない時間でより良く
働こうとしています。

 

例えば、週報を禁止したり、
アジェンダ(課題)が事前共有されない会議は
開かないルールにしたり、

反対意見を言うときは
対案をつけることを義務化したり、
といったようにです。

 

2つ目は
「手段を目的にしない」
ことです。

 

「働き方」を改善することが
目的ではなく、

改善によって目指すべく目的に
近づいていくという具体的な
ステップが設計されています。

そのステップの進捗状況を、
現場の社員たちと経営陣が
一緒に確認しています。

 

多くの企業では、
トップ5%の社員は

成果を上げる方策を練る一方で、
残り95%の社員は時間の制約に対して
愚痴ばかり言います。

 

「残業をなくして
売る上げ目標は達成しろ、
なんて無茶だ」

「改善活動なんて
うまくいくはずがない」。

そのような声を
クライアント各社でも
よく聞きました。

 

そのように改善活動をする意義を
腹落ちしていないと、
(※腹落ちとは、
言われた内容に心から納得している状態)

新しい働き方を導入しても
平均して9か月で元の働き方に戻ります。

 

オフィスを19時に消灯すべく、
初めはみんな頑張って
仕事を終えて退社していました。

しかし、電気を消す意義を
理解していないまま9か月が過ぎると、

消えた電気を付け直して
働き続けるようになってしましました。

調査からも
腹落ちしていないと、
78%の社員は元の働き方に
戻ってしまうという結果が出ています。

 

 

意識ではなく、行動を変える


経営者は社員に向かって、
「まず意識から変えよう」と鼓舞したり、
いたずらに危機感をあおったりしがちです。

しかし、それで社員が
変わることはありません。

 

そこで意識を変えようとするのではなく、
まず小さな実験を行い、

その結果を検証することによって
行動を修正していきます。

その結果、
「ああ、意外とよかった」
という言葉が出たら
意識が変わっている瞬間です。

ずばり、大きな成果を上げている
社員と組織の特徴は、

早く行動を起こし、
リスクの小さな行動実験を行い、
達成感を重視していることです。

 

 

■時間を減らすのではなく、
 時間を創り出す

 

未来の目指すべき姿をイメージして、
自分にメリットがあると感じることができれば、
行動を変えやすくなります。

やらされ感があると
どうしても情熱を傾けにくいですが、

自分で選んだ行動であれば、
モチベーションを維持しながら
達成に向けて切磋琢磨していけます。

 

背後から大きな岩が転がってきて
逃げ惑うよりも、

目の前にニンジンをぶら下げて
行動を継続しやすいのです。

 

こういった前向きな目標を意識することは、
リモートワークでも重要です。

実践してみるとわかりますが、
リモートワークではあっという間に時間が過ぎ、

気が付いたら夕方になり
夜になります。

目の前の仕事をすべてきちんと
こなしていたら時間が足りなくなり、
徒労感で満たされます。

 

けれども、「自分の時間を生み出す」
という前向きな目標があれば、

「そもそもこれって必要なのか」
という課題発見の視点が身につきます。

 

そうなると効率化すべく、
無駄なことをやめ、
目標に向けて行動することができます。

成果につながらない作業をやめても
「意外と影響ないな」と思ったら、
その時こそ意識が変わった瞬間です。

時間は減らすのではなく、
創るのです。

 

先に行動を変えることで、
結果的に意識が変わる

 


 

今回は以上となります。

次回は
「仕事における3大時間泥棒」です。

ああ、たぶんあれかな、
と考えている方もいるかもしれませんね・・。

お楽しみに。

 

 

著書名:「More with Less 
働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法」

著者名:越川 慎司
(クロスリバー代表取締役)

出版先:日本実業出版社