心配事の9割は起こらない。減らす、手放す、忘れる-禅の教え 第4回                              

久しぶりに復活します。

今回は
「どんな境遇も受け入れる」
です。

それでは行ってみましょう!


 

どんな境遇も受け入れる
順境もより、逆境もまたよし

 

 

「えっ、地方の営業所に転勤?な、なんで私が!」

「どうしていつも自分ばっかりが
こんな目に遭わなきゃいけないんだ・・・。」

 

思いもよらない境遇に置かれたら、
誰でも”怨み節”が口をついて
出ることになるでしょう。

この例のような、
地方への転勤という
大変化でなくても、

営業をやりたいのに
総務部に配属された、

企画力で勝負したいのに
移動先が経理部だった、

といったことが

怨みのタネ、
嘆きのタネになる。

 

自分を取り巻く環境は
常に変化していくものです。

国内経済が
まだまだ闇を抜け出せないまま、

仕事の環境はとりわけ大きな変化に
さらされているかもしれません。

しかし、それは
至極当然のことなのです。

 

仏教の「諸行無常」という言葉は
誰でも知っているでしょう。

この世の中のありとあらゆるものは
常に移ろいでいて、

一瞬たりとも
とどまっていることはない、
という意味ですよね。

私たちはいつも変化の中で
生きています。

 

しかし、そうはいっても、
良い変化は喜んで受け入れる一方で、

悪い変化は受け入れがたい、
というところがあるのも事実。

 

しかし、そこで
いくらクサろうが、
クヨクヨしようが、

境遇は
変わることはありません。

それどころか、
マイナスの気分が
どんどん高じてきます。

嘆きのスパイラル、
怨みのスパイラルが起きて、
心は負の袋小路に入ってしまいます。


こうはかんがえられないでしょうか。


どんな境遇にあっても
自分を活かすことができる、

そこでの経験が、
将来、飛躍のバネにもなるし、
生きる糧にもなる・・・と。

次に紹介するのは、
松下幸之助さんの言葉です。

 

「逆境もよし、順境もよし、
要は与えられた境遇を
素直に生き抜くことである」


まさに至言です。

 

素直に生きていたら、
よい境遇も悪い境遇もないのです。

そこにはただ、
一生懸命に生きる
「場所」があるだけです。


実際、地方勤務になったとき、
「よし、ここで幅広い人脈を築いていこう」
と考えたら、

対人関係にも熱が入るし、
一つ一つの対応も
丁寧なものになるはずです。

気持ちだってグングン
前向きになっていくでしょう。

 

どんな業種であっても、
地方に信頼関係で結ばれた人が
たくさんいるということは、

将来、企画を手掛けるように
なったときに活きないでしょうか。

経理の知識に裏打ちされた、
コスト意識が明確な企画は
実現性が高いはずです。

禅ではこう言っています。

 

「日日是日日」
(にちにちこれにちにち)

 

これは毎日が良い日ばかりだという
意味ではありません。

人生には晴れの日もあれば、
雨の日もある。

穏やかな日射しに
包まれることもあれば、

吹きつける寒風に
身をすくめることもあります。

しかし、いずれの日にも、
あなたはその日でなければ
出来ない実体験をする、

かけがえのない経験を積む。

ですから、全てが有意な
「好日」(安からかに過ごせる良い日)
なのだ——

というのがこの禅語の
意味するところです。

 

境遇があなたの生き方を
左右するのではありません。

あなたの生き方によって
境遇はどんなものにでも
なるのです。

 


以上となります。

 

もし将来、私自身、
窓際に追いやられたら

勤務中に
稼げる副業の勉強を
こっそりするかもしれません(笑)。

 

それでは次回、お楽しみに!

 

著書名:心配事の9割は起こらない
減らす、手放す、忘れる、-禅の教え

著者名:枡野 俊明
(曹洞宗徳雄山建功寺住職)

 

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