一体何に時間を取られて
仕事がこれほど進まないのだろう?
と、ふと考えたことはありませんか?
時間を奪うものが
3つもあなたの近くにあるようですよ!
それではどうぞ!
時間泥棒を探せ
■仕事における三大「時間泥棒」
クライアント企業28社16万人
に対する調査で、
「1週間の稼働のうち
何に時間を費やしているか」
を調べたところ、
業種業態や
社員数に関わらず、
社内会議と資料作成、
メール処理の3つの作業に
7割の時間を
費やしていることが分かりました。
具体的には、43%が社内会議、
14%が資料作成、11%がメールのやりとり、
ということでした。
とりわけ時間のダイエットができる
可能性が高いのがこの3つで、
各社で「会議改革」「資料作成のルール化」
「脱メール(チャットへの移行)」を推進し、
実際に時間の圧縮に成功しています。
では、それぞれの傾向と対策について、
見ていきましょう。
社内会議が多い理由としては、
意思決定のプロセスが多重で、
会議のための会議をする
などというケースもありました。
意見が出ない会議、
アジェンダが決まっていない
会議などのためにも
時間を浪費していました。
また、多くの会議のために
大量の資料が作成されています。
内容ではなく作成枚数で
上司にアピールする社員や、
派手で豪華なグラフを使って
自慢気になっている残念な社員を
何度も見てきました。
そしてメールの処理です。
毎年8%ずつ増えている
受信メールの処理に追われ、
メールがメールを読んで
大量の社内メールで
埋もれていっています。
■メールの検索で90時間
2・5万人に対して
追加調査をしたところ、
メール作業中にファイルを探す時間が
思っていた以上に多いことが分かりました。
なんとメールソフト上で
資料を探している時間が
1週間で平均61分もあったのです。
とくに、社内のメールに添付されている
ファイルを探していることも分かりました。
社内で複数名が関わっている
資料を作成する場合、
メールに添付して共有していて、
そのバージョン管理は、
ファイル名で行われるのです。
「提案書v1」とか「提案書v2」、
「提案書semi-final_v2」
「提案書fainal_v3」
といった感じです。
古いバージョンに更新してしまい
編集履歴を追うことに時間がかかったり、
最新版を探すことに
時間がかかったりしていました。
ファイルを探す時間をなくし、
バージョンを間違える混乱を避けるには、
ファイル自体を
メールの添付で送るのではなく、
そのファイルをクラウドサービスにおいて、
その置き場所であるURLを
メンバーで共有するようにしましょう。
1つのファイルで管理するので、
多数のメンバーが更新をかけても
履歴は残りますし、
元のバージョンに戻すことも容易です。
このクラウド共有は、
メールでもチャットでも必須の使い方です。
また、別の調査では、
人を探すことにも時間を
奪われていることが分かりました。
特に大企業では、
他部署の方を探すのに
時間をかけていました。
社員数が1000名以上の
大企業57社にヒアリングしたところ
「社内の人を探す時間を短くしたい」
と答える社員が68%もいました。
「この案件に関わっている人は誰か」
といった他部署の人を探すケースは
予想以上に多いようです。
さらに、この57社では、
メールで人を探す時間が週に
約43分もありました。
つまり、
年に37時間も
社内の人を探しているのです。
「この人だろう」と当てをつけて
確認のメールを送り、
それが正しいかどうかは
返答を待つしかありません。
待ち時間が増え、
「メール見ていますか」という
世界一ムダなメールを送ったり、
不在の相手に電話を掛けたりという
非効率の連鎖が広がります。
さきほどのメールの添付ファイルなどの
情報を探す時間と合わせると、
メールの中だけで年に90時間を
探していることになります。
短時間で確実に他部署の人を探すには、
まず相手の属性と状況を確認してから
連絡を取ってください。
リモートワークであれば、なおさら人も
情報もさがし出しにくくなりますので、
社内メールでのコミュニケーションは
卒業し、ビジネスチャットを活用しましょう。
さらに追加調査で、
メール以外にも、
「過去の売り上げデータを探したいのだけれど、
保存先が複数あって見つからない」
「印刷した資料の保存先が思い出せない」
「書棚にある資料を探すのに2時間かかった」
といった声が続出しました。
これらは、資料のデーター化、
つまりペーパーレスが進んでいないことが
原因です。
重要度は高いのに緊急度が低くて、
ペーパーレスに手を付けることが
できなかったために、
膨大なムダな時間を
費やすことになっているのです。
さきほどのメールと合わせると、
多くの社員が年間で約150時間も
何かしらを「探している」という
衝撃の事実が分かりました。
そうやって生産性の低い行為に
自分の時間が奪われていることに
気づかないと、
いつまで経っても
労働時間の削減も、
成果を残すこともできません。
今の「当たり前の仕事」を
疑うことから改善は始まるのです。
漫然と仕事をしていたら
時間はどんどん奪われる。
「会議」と「メール」の見通しで
ムダな時間が減る
今回は以上となります。
次回は
「時間を奪う会議はなぜ生まれるのか」
です。
私も今だ、
まともな会議に
出席した事がありません。
会議って何のためにあるのやら・・。
トホホ。
著書名:「More with Less
働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法」
著者名:越川 慎司
(クロスリバー代表取締役)
出版先:日本実業出版社