心配事の9割は起こらない。減らす、手放す、忘れる-禅の教え 第2回                             

みなさん、
ご無沙汰しております。

2021年に入りましたが、
私自身さらにパワーアップを目指し
いろいろチャレンジしていくつもりです。

 

ということでさっそく行きます!

それではどうぞ!

 


持ち物を減らす



すると、心も身体も軽くなる

 

 

 

一度手に入れたものはなかなか手放せない・・・。

程度の差はあっても、みなさん、
誰もが持っている感覚でしょう。

実はそのことが悩みの種にもなっています。

よくこんな声を聴きます。

 

「部屋が手狭になってしまって・・・。
物っていつの間にか増えるよね。」

引っ越した当初は、すっきり片付いていて、
快適に暮らすためのスペースも十分に
あったはずの部屋が、

いつの間にか物で溢れかえって、
快適とは程遠い空間になってしまった・・・。


気分も滅入ります。
「ゴミ屋敷」の住人は論外ですが、

少なからず誰もが
経験していることだと思います。


原因は明々白々です。

「手放せない」「捨てられない」
からです。

 

禅に「喜捨(きしゃ)」という言葉があります。

「惜しむことなく喜んで捨てる」とうことですが、
お寺や神社でお賽銭を投げることを、
こう表現するのです。

大切なお金を、なぜ、
喜んで捨てられるのか?

 

それは、「ひとつ捨てることは、
執着からひとつ離れること」だからです。


執着は心を曇らせる最たるものですから、
捨てることは喜ぶべき行為なのです。

物についても同じです。

 

周囲にある物をざっと
見回してください。

クローゼットやタンスに入れっぱなしで、
何年も袖を通してない洋服が見つかりませんか?

一度か二度使ったきりで、
それ以降、ずっとスペースを
占領し続けているバッグや、

あるいは様々な小物などが
ありませんか?

 

「いつか着る(使う)ことがあるかもしれないから・・」

 

それらが”居座っている”ことを
正当化する弁明の代表格がこれ。

しかし、たとえば、三年間、
見向きもしなかった洋服をもう一度
着る機会がその先に訪れると思いますか?

五年間、使うことがなかったバッグを
ふたたび手にすることがあるでしょうか?

答えは例外なく、「ノー」だと思うのです。



そうであったら、
気持ちを吹っ切り、
思い切って捨てることです。

ただし、
「もったいない精神」との
せめぎ合いがあるのかもしれませんね。


物を大切にすること、
(あっさり捨てるのが)もったいないと
思うことは正しい。

要は捨て方の問題でしょう。

 

友人、知人に着てくれる
(使ってくれる)人がいたら、
譲ればいいし、

物資が不足している地域に洋服などを
送るボランティア団体に託すのもいい。

あるいは、
フリーマーケットに出すのも
一つの方法です。


こうした、
何かの役に立つ”捨て方”なら
「もったいない精神」ともちゃんと
折り合いが付きますし、
喜捨にもしっかり
つながります。

捨てるべき物を捨てて、
スペースが広がった部屋は、

ずっと快適性がアップして、
日々の暮らしが心地よくなります。

 

それが身体にも心にも
よい影響をもたらすのは、
いうまでもありませんね。

 

そんぽ一方で、使う、使わない、
ということにかかわりなく、

捨ててはいけない物、
残しておくべき物もあります。

祖父母や両親から受け継いだ、
いわば、「形見の品」は当然ですが、

なにかの記念に自分のために買った物、
家族のために買った物、などもそうでしょう。

むずかしいのがその判定基準です。

私は「思い」がキーワードになるのではないか、
と思っています。

 

それを手にすると、思い出が巡ってきて胸が熱くなる、
いただいた人の心が感じられて嬉しくなる、
ホットした気持ちになれる、元気が湧いてくる・・・。

どれは、値段の高い・安いという問題ではありません。

どんなに古びていても、
たとえ壊れていたって、
大切に残しておくべき物だと思います。

 

それらは、単なる「物」ということを超えて、
あなたの人生に寄り添っているからです。

ひとつ綺麗な箱でも用意して、
そっとしまっておきましょう。

禅語に「把手共行(はしゅきょうこう)」
というものがあります。

 

心から信じることのできる人
(あるいは、本来の自己=仏様)
と手を取り合って人生を歩んでいきなさい、

という意味ですが、
いつでも「思い出」と出会うことが出来る物も、
その任を十分に担ってくれます。

 

 


 

今回は以上となります。

物はなかなか捨てられないですよね。

私は年末大掃除で
強引に捨てました。

家族でゴミ袋12個ぐらい出ましたが
家じゅうスッキリしています。

 

 

 

著書名:心配事の9割は起こらない
減らす、手放す、忘れる、-禅の教え

著者名:枡野 俊明
(曹洞宗徳雄山建功寺住職)

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