originals 誰もが「人と違うこと」ができる時代 第2回

こんにちわ

それでは前回からの続きです。

 

既存のシステムを正当化すると
心が落ち着くという効果がある・・

ですが、

現状維持は破滅への第一歩、
という言葉もあり、

折り合いをつけるのは
難しそうですね。

 

それでは行きます。

 


 

 

オリジナリティの最たるポイントは
「既存のもの」を疑い、
よりよい選択肢を探すことだ。

10年以上に渡って研究を続けてきたところ、
これは思っていたよりもずっと簡単だ
ということが分かった。

 

まず必要なのは好奇心だ—
そもそもなぜ既存のものが存在するのか
じっくり考えてみる。

「デ・ジャ・ブ」ならぬ
プ・ジャ・デ」を体験すると、
今当たり前に存在するものが
疑問に思えて仕方なくなる。

「デ・ジャ・ブ」とは、
はじめて見たはずなのに
前にも見たことがあるような感覚だ。

「プ・ジャ・デ」とはその反対で、
既知のものを目の前にしながら、
新たな視点でそれを見つめ、
古い問題から新たな洞察を得ることだ。

 

「プ・ジャ・デ」の体験なしに、
ワービー・パーカーの起業はなかっただろう。

 

四人の創業者たちはある晩、
コンピューター室でいすに座って
会社の構想を立てていたが、

そのとき四人合わせて
六十年のメガネ使用歴があった。

メガネはそれまで理不尽なほど
高価だったが、

四人はその瞬間まで「メガネは高いもの」
という現状を当たり前のこととして受け入れており、
元の価格に疑問を持つことをしなかった。

 

「値段に疑問をもつなんて、
それまで思いもよりませんでした」と、
創業者の一人であるデイブ・ギルボアは
言っている。

「薬を買うようなものと思っていたんです、
医者が買えというのなら、それなりの理由で
その値段なんだろうと、当たり前のように
思い込んでいました。」

デイブはその少しの前、iphoneを購入していた。

そのせいもあり、気づけばメガネと
iphoneを比べて考えていた。

 

メガネは1000年近くも生活必需品として
使われてきたもので、

形状は祖父の代からほとんど
変わっていないではないか。

そう考えてみて初めて、
なぜメガネはあんなに高いのだろうという
疑問が浮かんだ。

 

「あんなにも単純な仕組みの製品がなぜ、
精緻なスマートフォンよりも高いのか?」

 

こうした疑問を抱き、
ワービー・パーカーの四人組と
同じ答えに到達することは、
彼らでなくてもできたことだろう。

メガネがなぜあそこまで高価なのか
という好奇心を持った四人は、
業界の調査に乗り出した。

 

すると、前年の売り上げが
70億ドル(約7000億円)以上にも上る
ヨーロッパのルクソティカが圧倒的に
世界の市場を支配していることが分かった。

「大手小売りチェーン、それにレイバンや
オークリーといったブランドもルクソティカの
傘下にあって、シャネルやプラダの度付きメガネと、

それにサングラスのライセンスまでも、
すべてルクソティカがもっている

メガネがdぽうしてあんなに高いのか、
合点がいきました。」

とデイブは言う。

「製造原価からすると、
あの価格は全く説明がつかないんです。」


ルクソティカは市場を独占しているのを
いいことに、原価の20倍もの値段を
つけていたのだ。

この値段は元来正当なものではなかった
一企業の一部の人たちがつけた数字に
すぎなかったのだ。

つまり、別のグループが
別の選択をすることも
可能だということだ。

「僕たちは違うやり方でやってやろうと
思いました。自分たちの運命をコントロール
出来るんだ、自分たちの価格をコントロール
出来るんだ、と分かったんです。」

 


納得できない既存のシステムに
好奇心を持ってみると、

大部分のことは社会的な要因に
端を発しているとうことがわかってくる



ルールとシステムは人間が作っているのだ。


このことを認識すると,
現状をいかに変えられるかを
考える勇気が生まれる。

 

アメリカで女性に参政権がなかったころ、
多くの人は「参政権がないという状態を
ただ当たり前のこととしか考えていなかった」のだと、
歴史家のジーン・ベイカーは述べている。

婦人参政権運動が盛んになると、
「慣習や宗教の教え、法律は人間によって
作られたものであって、

それゆえに変えることが出来るのだとちうことを、
より多くの女性が理解するようになっていった」のだ。

 


 

今回は以上です。

 

次回は「オリジナルな人とは」です。
お楽しみに。

 

引用先書籍

書籍名:ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
著 者:アダム グラント
監 訳:楠木 建
出版社:三笠書房