欧米の美術館の館長は、MBAを取得している人が多い。「アート思考 ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法」第1回目

こんにちわ

ビジネスとアート?


数字第一のビジネスと
感性重視のアートが
果たして手を取り合えるのか?

常日頃アートには
多少なりとも関心はありましたが・・。

 

それではどうぞ。

 


はじめにー
アートはビジネスに役立つのか?

 

~一部省略~

 

アートもビジネスも、
それぞれまったく性質が
異なっておりますが、

そう言いながらも
同じ人間が求めるものであり、

根本的に共通する部分も
あるように思います。

案外深いところの本質と呼ばれる場所で
共感が起こるのではないでしょうか。


それが”優れた”と形容される
ビジネスとアートについての
共通点になります。

共に、人々を幸福にするために
追及されるものでしょう。


~一部省略~


欧米の美術館の館長は、
「MBA(経営学修士)」を取得
している人が多くいますが、

これは今や
珍しいことではありません。

もちろん美術史、美学、哲学などの
アートに必須の学問を修めていて、

それに加えて、という意味です。

それほど欧米ではアートが
経済と結びついているのです。

 

アートマーケットもしかりです。
大きなお金が動きます。

例えば、ダミアン・ハーストという
イギリスの現代アーチストは、

ホルマリン漬けのサメや
羊の作品で有名ですが、

その彼が1回のセールで
218点の作品を販売し、

1億1100万ポンド(約150億円)を
売り上げました。

 

また現存アーティストで、
現代アート部門のオークションで
最高額を叩き出したジェフ・クーンズの作品は

1点が9107万5000ドル(約100億円)です。

一見、まったくお金と無関係に見えるアートが、
それどころか、なぜこのような桁違いの金額に
なるのか?

また、アートはいったい何を売っているのか?
人は何に共感しているのか?

普段接しているビジネスと
構造があまりに違うので、

かえって興味を持たれるのでは
ないかと思います。

 

人間の感性や感情、
価値観というものが
ビジネスになるというのは、

すぐには納得できない
かもしれませんが、

現代のビジネスの中に
知らず知らずに入り込んできているのが、

このような感性による価値
なのではないでしょうか。

アップルの創業者スティーブ・ジョブスは、
文字のアート、カリグラフィー
を学んでいたことで知られています。

旧米ヤフー(現アルタバ)の元CEO、
マリッサメイヤーが影響を受けたのは
画家である母親でした。

iphoneの使い勝手の良さは
単なる機能への共感ではなく、

むしろ感覚的なもの、
感性的なものに関しての
共感なのではないでしょうか。

これまでビジネスとは無縁と思われてきた
「直感」や「感性」が大きく寄与していると
いえるかもしれません。

 

あらゆる製品やサービスの中に、
「感性的」「感覚的」な領域が
入り込んでいるのが、今の時代です。

実際、どんな分野においても、
感性や直感で得られた満足というものが
大きなウェイトを占めつつありますが、

一方で、それを完璧にノウハウ化したり
マニュアル化したりすることは
できないのではないでしょうか。

 

大上祐の魅力的な演技や熟練した技術者、
卓越したスポーツマンのパフォーマンスを
再現することが不可能なように、

天才アーティストの作り出すアートは
さらに再現不可能なのです。

しかしだからこそ、この貴重な
”1回の出来事””オリジナルティ”が
価値を生むのです。

 


 

以上となります。

次回は「アート思考の本質」です。

それでは、また。

 

 

著者名「アート思考
ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法」
著者名「秋元 雄史」
出版社「プレジデント社」