日々の仕事に追われて疲れ切ったあなたへ。エッセンシャル思考のすすめ。其の弐。

こんにちわ、まさやんです。

 

日々の生活の中での
エッセンシャル思考の大切さは
理解されたでしょうか。

それでは、具体的な
実例を見ていきましょう。

 


 

賢く生きる者は
不要なものを拝する。

-林語堂(作家、思想家)

 

シリコンバレーで会社役員をしていた
サム・エリオットは最近ある悩みを抱えていた。

自分たちの会社が
大企業の傘下になってからとういうもの
仕事にやりがいを感じられなくなったのだ。

新たな組織で存在感を示そうと
彼は身を粉にして働いた。

どんなに無茶なスケジュールでも
「やります」と答え

とうていやりきれない量の
仕事を抱え込む。

朝から晩まで
あちこちの会議に引っ張り出され
言われるままに山のような仕事をこなす日々。

 

徐々にストレスがたまり
仕事の質は落ちていった。

琑末な仕事に仕事に追われるばかりで
何の成果も見えてこない。

あれほど周囲の期待に応えようと
頑張っていたのに

まわりの人間まで
彼に失望し始めているようだった。

 

そんなある日、
会社から早期退職プランの説明があった。

彼はまだ50代になったばかりで
リタイアするには早すぎる。

とはいえ、
今の会社に疲れているのも事実だった。

退職して、
またコンサルティング会社を
立ち上げる手も無くはない。

同じような仕事を別会社でやるわけだ。

あるいはフリーのコンサルタントとして
契約してもらおうか?

だが、どの選択肢も今ひとつだった。

エリオットは信頼している先輩のところへ行き
どうすべきだろうかと相談してみた。

「辞めることはないさ。今の会社で、
コンサルティングの仕事だけやっていればいい。
うまくやれば大丈夫だよ。」

つまり自分にとって本質的名仕事をやれ、
というわけだ。

それ以外の仕事をすべて無視しろと。

 

エリオットはそのアドバイスに
従うことにした。

翌日から、仕事を減らすことに専念した。
「断る」ことを始めたのだ。

最初は恐る恐るだった。

仕事の依頼が来ると

「この仕事をやり遂げるための
時間とリソースは足りているか?」

という基準で受けるかどうかを
判断した。

もしも答えがノーなら、その依頼は断った。

断られた人たちは少々残念そうな顔をしたが
以外にもすんなり納得してくれたようだった。

いくらか自信がついてきたので
彼はさらに一歩進んでみることにした。

依頼を受けるかどうかの基準を
もっと厳しくしたのだ。

「この仕事は、自分が今やれることの中で
いちばん重要か?」

 

いちばん重要だ、と言い切れる仕事しか
受けないことにした。

周囲の人たちも最初は残念そうな顔をしたが
すぐに彼のやり方を受け入れてくれた。

それどころか、
以前にも増して彼に信頼を寄せてくれるようになった。

 

彼はその調子で、
あらゆる仕事に同じ基準を当てはめていった。

以前は切羽詰った状況を見ると
助けずにいられなかった。

納期が迫ったタスクや土壇場のプレゼンに
いつも自分から手を上げたものだ。

だが、今の彼は違う。

人に任せることを覚えたからだ。

社内メールで繰り広げられる議論には
口を出さなくなったし

関係のない話し合いにも
参加しなくなった。

自分が直接関係することでない限り
なるべく会議も断るようにした。

「誘われたからという理由だけでは
時間の無駄ですから。」
と彼は言う。

 

最初はわがまま過ぎる様な気がした。
だが、やるべき仕事を選ぶようになったおかげで

時間と気持ちに大きな余裕が生まれた。

今では、一度に一つのプロジェクトに
専念できるし、

きちんと計画を立ててから
仕事を進められる。

あらかじめリスクを想定し
最善のやり方を選ぶことが出来る。

中途半端にあれこれ手を出す代わりに
やるべきことをしっかりやりとげられる。

本当に重要なことだけをやると決めてから
仕事の質は目に見えて改善された。

あらゆる方向に1ミリずつ進むのをやめて
これと決めた方向に全力疾走できるようになったからだ。

 

彼は数ヶ月間、そのやり方を
つづけてみた。

おかげで仕事に余裕が出来たし
家に帰ってからもゆっくり過ごせるようになった。

「まともな時間に帰れるようになって
家族との時間も取り戻せたんです。」

 

以前は家でも仕事の電話ばかりしていたが
思い切って電源を切っておくことにした。

ジムに通う余裕も出来た。

久しぶりに、
妻と一緒に外食をするようになった。

意外なことに、
そうしたやり方を悪く言う人はだれもいなかった。

上司に叱られることもないし
同僚も気にしてないようだ。

むしろ、以前よりも彼の評判は
上がっていた。

重要な仕事でしっかりと成果をあげ
会社に大きな利益をもたらしているからだ。

彼はふたたび仕事にやりがいを
感じられるようになった。

会社からも高く評価され、
自分でも驚くほどのボーナスを受け取ることが出来た。

 


 

以上です。

 

エッセンシャル思考とは常に

「この仕事は自分が今やれることの中で一番重要か?」

を考えていくことなんですよね。

 

それでは次回をお楽しみに。

 

 

著者名:エッセンシャル思考
最小の時間で成果を最大にする

著者名:グレッグ・マキューン
訳:高橋 瑠子
出版元:かんき出版

より一部引用しました。