ビジネスマンの父より息子への30通の手紙。「あえて挑戦を」前編。

こんにちわ、まさやんです。

 

今回ご紹介するのは
私も好きな本の1冊です。

親からの気持ちを
手紙という形を取り
子供へかなり熱く語っています。

といっても説教ではなく、
何かヒントを与えて

ふと立ち止まらせ、
考えさせる感じでしょうか。

 

老若男女
誰にでも読める内容と
なっています。

 

それでは、どうぞ。

 


あえて挑戦を

学問の水準が極めて高く規律が厳しく
またよい校風があることがある私立大学へ、
息子は入学する機会を与えられた。

息子は気後れして、
やっていけるだろうかと真剣に迷う。

父親は助言しても、
強引に息子を入学決定に
追い込もうとしない。

 

 

君はこの秋セント・アンドリュウス大学に
入学できる旨の通知を受け取ったと聞いた。

君がこの優秀な大学へ行くことに
それほど乗り気ではないと知って驚いている。

このエリート大学に入学する機会を与えられれば
飛び上がって喜ぶ若者が多いことだろう。

 

そのほとんどが、
かなりの額にのぼる学費、地理的な制約、
あるいは基準に満たない学業成績のために、
不幸にも入学できないのである。

ありがたいことに、
君にはそのいずれもあてはまらない。

これだけ条件がそろっていながら、
君がこの機会に対して消極的な
態度を取っていることに、

私は多少動揺し、とまどい、
少なからず不安を感じている。

 

父親として息子を気の進まない方向に
押しやることは出来ない。

そのように生活を干渉されている息子たちを
私は嫌というほど見ている。

君に言いたいのは、人生は一度限り
ということである。

 

三十五歳、四十五歳、五十五歳になって、
「私は機会に恵まれなかった」という人を
私はたくさん知っている。

その九〇パーセントは、

なぜ人生が自分の前を素通りしていったか、
なぜ、自分が何の業績も残せなかったか、

いろいろな口実で自分を納得させている。

 

残りの十パーセントは、

若い頃に人生が
自分に挑んだ戦いに応じなかったことを
正直に認める。

 

 

私はこの人たちを気の毒に思う。

彼らがその挑戦状を突きつけられたときには、
多くの場合、勝つ条件が揃っていたと思われる。

ただ受けて立つ勇気がなかったのである。

 

生き方、生活形態、時間の使い方の変更を
余儀なくされることになる新しい機会に直面すると、

それをさっさと受け入れることは、
なかなかできない。

私にとって、これまでで一番難しかった決定は、
小さな田舎町の家を離れて、

1000マイルも遠くの、ひとりの知り合いもいない
大都市へ行くことだった。

 

しかし、私にとって成功へ導く道はそれしかなかったし、
ひどく淋しい道でとてもつらかったけれども、
前途にはつねにこの目標があった。

自分で、自分のために定めた目標で、
少なくとも、そのためにやるだけのことはやってみると
言い張った。

 

この挑戦に応じたことが、
私の一生を変えた。

 


今回は以上です。

また次回お楽しみに。

それでは、また。

 

 

引用先

著書名:ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
著者:キングスレイ・ウォード
訳:城山 三郎
出版元:新潮文庫

より一部抜粋