皆様ご無沙汰してます。
人生の成功を決める
はっきりいうと粘り強さだそうですね。
それをとことん説明している
書籍です。
どちらかというと
諦めが早い私には
耳の痛い話ではありました。
それではさっそく行きましょう!
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第1章
「やり抜く力の秘密」
-「成功する者」と「失敗する者」を分けるもの
米国陸軍士官学校(ウエストポイント)への
入学を許可されるのは、
並外れた努力のたまものに
他ならない。
その入学審査の厳格さは、
最難関大学に引けを取らず、
大学進学適性試験で
高得点を獲得し、
なおかつ高校の成績も
抜群に優秀でなければならない。
しかもウエストポイントを目指すには、
高校2年生のうちから志願する必要があり、
連邦議会議員や上院議員、
もしくは米国副大統領の推薦状が不可欠だ。
もちろん、ランニングや腕立て伏せ、
腹筋、懸垂など、
体力測定の各項目で
高得点を挙げる必要があるのは
言うまでもない。
これならハーバード大学に入るほうが
楽にさえ思えるほどだ。
毎年、全米の1万4千名以上もの高校2年生が
ウエストポイントへの入学の志願をする。
この大勢の志願者が、
まずは入学要件である推薦状を
獲得できたかどうかで、
4000名に絞られる。
そのあと、学力、体力ともに
ウエストポイントの厳格な審査基準を
クリアできるのは、半数をやや上回る2500名。
そのうち、最終的に入学を許可されるのは
1200名だ。
こうして見事に入学を果たす生徒たちは、
男女ともにほぼ例外なく、
各高校を代表するスポーツ選手であり、
大半はチームのキャプテンを務めている。
「肉体的、精神的、にもっとも過酷」な環境
ところが、士官候補生の5人に1人は、
卒業を待たずに中退してしまう。
さらに注目すべく点は、
昔から中途退学者の大半は、
夏の入学直後に行われる7週間の
厳しい基礎訓練に耐えきれずに
辞めてしまうということ。
この訓練は
「ビースト・バラックス」(獣舎)というすさまじい名称で、
略して「ビースト」と呼ばれている。
入学を目指して2年間も
必死に努力を重ねてきたのに
最初の2か月で辞めてしまうとは、
どういうことなのだろうか。
とはいえ言っておくが
ただの2か月ではない。
ウェストポイントに入学した
士官候補生に配布される
ハンドブックには「ビースト」について
こう書かれている。
「ウェストポイント」の4年間で、
肉体的、精神的に最も過酷な訓練であり
諸君が士官候補生から兵士へと
変身を遂げるためにおおいに役立つ。」
~途中省略~
ある士官候補生は
「ビースト」についてこう語っている。
「とにかくありとあらゆる面で、
これでもかというほど試練が与えられます。
訓練は想像を絶する過酷さで、
家族とすら連絡は取れません。
そんななかで精神的にも
肉体的にも、
ギリギリの状態に追い込まれます。
そうすると弱点がさらけ出される。
そこがポイントです。
ウエストポイントは
鍛錬の場です。」
もっとも「有望」なはずの人々が
次々と辞めていく
「ビースト」のことを知った私は、
軍事心理学者のマイケル・マシューズの
もとを尋ねた。
長年、ウェストポイントの教授陣に
名を連ねる人物だ。
マシューズの話を聞いたところ、
入学審査では、男女問わず
ウェストポイントでたくましくやっていける
資質を持つ人物を選定していた。
そのために、入学事務局では
各志願者について「志願者総合評価スコア」
を算出する。
すなわち、SATもしくはACT1
(ともに大学進学適正試験)のスコア、
高校での正式順位(各志願者の学年
の生徒数に応じて調整したもの)、
リーダーとしての資質の評価、
体力測定のスコアの加重平均だ。
この志願者総合平均スコアは、
士官学校の4年間で経験するさまざまな
試練を乗り切るための能力を、
各志願者がどれだけ持っているかを
判断するための好材料と言えるだろう。
言い換えれば、
軍隊の指導者に求められる
数多くのスキルを、
それだけ容易に習得できるかを
推定したものだ。
このようにウェストポイントの
入学審査では
志願者総合評価スコアが
最も重要な決め手となっていたが
「ビースト」の厳しい訓練に
耐え抜けるかどうかを予想するには
残念ながらあまり役に立たなかった。
それどころか、志願者総合評価スコアで
最高評価を獲得した士官候補生たちは、
なぜか最低スコアの候補生たちと同じくらい
中退する確率が高かった。
マシューズが私に会ってくれた裏には、
そんな事情があったのだ。
しかしマシューズ自身も若いころ
空軍に入隊した経験から、
彼はこの謎を解くカギを握っていた。
ウェストポイントほど過酷ではなかったが
入隊時の経験には顕著な共通点があったのだ。
最大の試練は、
自分たちの手に負えない難題を
次々につきつけられたこと。
それこそ1時間ごとに、
出来ないことばかりやらされたのは、
彼にとっても、同期の入隊者たちにとっても
生まれて初めての経験だった。
当時を振り返って、
マシューズは言った。
「2週間もしないうちに疲労困憊して
孤独でどうにかなりそうだったよ。
もうすぐにでも辞めたいと思った。
クラスのみんなもそうだった。」
そして実際に、何人かは辞めていった。
だが彼は、辞めなかった。
マシューズが驚いたのは、
困難に対処する力は才能とは
ほとんど関係ないということだった。
訓練の途中で辞めていった者たちは
才能が無くて辞めたわけではない。
それよりも重要なのは、
マシューズの言葉を借りれば
「絶対にあきらめない」という態度だった。
「情熱」と「粘り強さ」を持つ人が
結果を出す
しかし一方で、
驚異的な粘り強さで頑張ってみて、
見事に結果を出した人たちの話も聞いた。
「その作家は、駆け出しのころは
特に優秀ではありませんでした。
社内では彼の原稿を読んで
笑ったりしてましたよ。
文章が何とも野暮ったくて
メロドラマ風だったんです。
でも彼はその後、
めきめきと腕を上げて
去年はとうとうグッゲンハイム奨励金を
獲得したんです。」
またそういう人たちは常に貪欲に
進歩を目指していた。
「彼女は絶対に満足しません。
あそこまで登り詰めたら
満足してもよさそうなのに。
あの人は、自分自身のもっとも
手厳しい批評家なんです。」
つまり顕著な功績を収めた人たちはみな、
粘り強さの鑑のような人だったのだ。
なぜそこまで一心不乱に、
仕事に打ち込むことが出来たのだろうか。
そもそも彼らは、
自分の目指している大きな目標に
簡単にたどり着けるとは思っていなかった。
いつまでたっても
「自分などまだまだだ」と思っていた。
まさに自己満足とは正反対だった。
しかしそのじつ、
彼らは満足しない自分に
満足していた。
どの人も、
自分にとって最も重要で
最大の興味があることを
ひたすら探求していた。
そして、そんな探求の道のりに
—-その暁に待ち受けているものと同じぐらい—
大きな満足を覚えていた。
つまらないことや、
イライラすることや、
つらい事があっても、
あきらめようとは夢にも思わなかった。
彼らは変わらぬ情熱を
持ち続けていた。
要するに、どんな分野であれ、
大きな成功を収めた人たちには
断固たる強い決意があり、
それが二つの形となって表れていた。
第一に、このように模範となる人たちは、
並外れて粘り強く、努力家だった。
第二に、自分が何を求めているのかを
よく理解していた。
決意だけではなく、
方向性も定まっていたということだ。
このように見事に結果を出した人達の特徴は
「情熱」と「粘り強さ」を併せ持っていることだった。
つまり、「グリット」(やり抜く力)が
強かったのだ。
今回は以上となります。
不定期ですが、楽しんでくださいね。
それではまた次回。
書籍名:GRIT やり抜く力
人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」
を身につける
著者:アンジェラ・ダックワース
翻訳:神崎 明子
出版社:ダイヤモンド社